著者:山本健人
出版社:ダイヤモンド社
私たちの体は本当によくできている―――
医師として医学を学び、人体の構造や機能に心を奪われ、一方で、これらの素晴らしい仕組みを脅かす『病気』という存在の憎らしさを実感してきた著者が、本書を通じて、サイエンスとしての医学の楽しさを伝えています。
私たちの体は、自然界の淘汰の果てにもたらされたものなのか、それとも、なにか特別な、目には見えない大きな力でも働いているのではないか―――著者が述べているように、人体にはそれほどまでに美しく、神秘的な機能が備わっています。
健常者であれば、誰もが意識することなくいとも簡単に自分の体を動かし、また、たとえ目を閉じていたとしても、体の各部位の位置がどこにあるのかを瞬時に、正確に把握することができます。私たちが普段の生活の中で、お水を飲んだり、本を読んだりできるのは、こうした『深部感覚』と呼ばれる素晴らしい機能が備わっているからです。
しかしながら、健康でいる限り、私たちはその事実や有難さになかなか気付くことができません。寝たきりの人の体を動かそうとしても、一人ではとても無理であるように、自分が無意識に行っていたことが突然できなくなったときに初めて、「体がいかに重いか」という事実に気が付くのです。
本書では、「あなたの体をめぐる知的冒険」というテーマに沿って、こうした誰もが享受している人体の『当たり前』について、著者の経験と膨大な参考資料を基に、数多くの事例が詳細に解説されています。
本書を通じて、知的好奇心を満たしてくれるような心地よい読後感があり、また、数多く紹介されている人体の機能や仕組みについても、誰もが絶対に失いたくはないと思うものばかりではないでしょうか。
山の上から景色を見渡すように、幅広い知識を俯瞰したいという方におすすめの一冊です。
ベストセラー本として、大変多くの方が推薦されています。この機会に、ぜひ手に取っていただけたら嬉しく思います。
ありがとうございました。
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